設立の趣旨
食品安全を目的とした自主管理システムであるHACCPは、国際的な食品標準規格を定めるコーデックス食品規格委員会により世界各国での導入が勧告されています。HACCP発祥の地である米国では、HACCPは(特定食品について)法的強制力を持ち、営業者の規模の大小を問わずHACCPが義務化されました。PP(またはPRP)を生み出したカナダでは行政府が業界団体認証を支援する形で普及が進められ、農場から食卓までほとんどの食品分野で中小も含めた普及が進められています。一方EUでは、2006年に全食品でHACCP義務化がスタートしました。
しかし日本においては、HACCPの基本概念である危害要因分析や検証などの基礎トレーニング、またHACCPシステム確立と維持・改善に必須な経営者の役割や、教育者養成、分野別指導といった専門トレーニングが遅れていました。
一方、米国の行政機関、大学・研究機関、民間機関などが実施するプログラムは、コーデックス指針の原案である、より具体的な食品微生物基準全米諮問委員会(NACMCF)指針に基づき、国際HACCP同盟、全米水産HACCP同盟の認定を受けた実践的なトレーニングが展開されてきました。
HACCP制度化時代を迎え、日本においても食品安全に向けた消費者や国際的な要請がますます高まってまいります。これに応えるには、農場から食卓までのフードチェーンに携わるあらゆる関係者が、消費者基点で食品の安全性を確保していくことを第一義の目的に、国際的に通用する常識的なHACCPを普及し、定着させることが不可欠です。
また、FSSC22000をはじめとするGFSI(国際食品安全イニシアティブ)の承認規格を中心に、日本においてもHACCPを基軸とした食品安全に関する規格がますます注目され、HACCPの構築が不可欠になっています。米国の「食品安全強化法」(FSMA)の施行も、大きなインパクトを与えています。
本会は国際HACCP同盟、全米食品製造業協会(GMA)、米国食品安全予防管理同盟(FSPCA)など国際的に活動するトレーニング機関と連携し、国内の行政機関、大学・研究機関、民間機関との協働を図りながら、国際的な正しいHACCP普及・定着に努めてまいります。